例年11月開催の本レースに花を添える位の気持ちと、帆船やまゆりにとっても進水以来 初めて、またクルーも初めてのクルーザーレースでした。
以下に、やまゆりとクルーの奮戦の様子を実況していただきます。
一年に一度位、こんなエキサイトも良いものですね!
2024-11-17(日) やまゆり ショートオフショアレース参加ご報告 :
レース名: 2024 YBC ルヴァンカップ
主催 : E Y C
協賛 : ヤマザキビスケット(株)
運営 : EYC レース委員会
◉ 江の島出港 : 0857時
江の島防波堤白灯台沖合のスタートマーク目掛けて暫く機走する。
スタートマーク到着0915時、本部船に近づき乗船員数の確認を受け、ヘルムス代わる。
◉ 第一レグ (スタート〜烏帽子)
周りはレース参加艇で混み始め、0935時メインセールホイスト、0938時ミズンホイストしスタートマーク近傍を低速で遊弋。
0950時機関停止し、0955時ジブを上げ1000時のスタートに備えマークの南でタックを繰り返す。
スタート合図予定の直前からクルーが持参のタイマーでカウントダウンを声高に発し、クルーの同期動作を助けてくれた。
1000時ジャスト、本部船からスタートの合図有り、軽快なレース艇が次々に飛び出す。
第一レグの誘導ブイは白防波堤灯台沖で、やまゆりは苦手のアップウインド(向い風帆走)をのっけから強いられることに。
まるでミズスマシのようなレース艇には早や水を開けられるが、やまゆりも重い体に鞭を入れ、何とか鈍足ながら誘導ブイを回り込むことが出来た。
第一レグは烏帽子岩迄の約4マイルだが江の島裏辺りでは北寄りの風も落ち、先行する15隻のレース艇との距離が更に広がる。
◉ 第二レグ (烏帽子〜3号浮標)
弱い北寄りの風に悩まされながら辛抱のセーリングは続き、1120時やっと烏帽子岩を半時計回りに通過し、ヘルムス交代。
第二レグは烏帽子から浮漁礁相模3号付近の約7マイルの航程で、風の方向は都合よく北寄りからNEに変わりつつあり、左舷アビームで帆走に持って来いだが何せ風速が上がらない!
1138時ヘルムス交代。
1145時江の島左舷正横。
1150時ヘルムス交代。
第二レグの中間ポイント辺りで、念の為クルーに浮漁礁相模3号の情報をGoogle検索することを依頼。
何と県は11月某日に他の2基と共に撤去済みで、他の海面に新たに表層式浮漁礁2基を設置したという。
幸いやまゆり搭載のGPSには前もって3号浮標座標をウエイポイントとしてマークして置いたので心配は無いのだが、先行するレース参加艇の多くは既にマークを回航しているように見える。
だがGPSのウエイポイント近傍に到達しても、マークブイや EYC運営のボートが視認出来ない。
はて、やまゆりの動静を本部が見失ったとかの未確認情報も有り、先行するレース艇が回航後、早、マーク若しくはEYC運営ボートは撤収されたか?
否、スキッパーの確認によればM旗を掲げたEYC運営ボートは3号浮漁礁近辺に居るはずだとのこと!
又どうも先行するレース参加艇も回航ブイや EYC運営ボートを確認出来ず、各艇が設定したウエイポイントでもって回航したらしい!
一方、生真面目で忍耐強いやまゆりは設定ウエイポイントを大分逸脱しながらも、M旗掲揚のボートを探して更にコース上を南東に帆走。
このままでは1500時タイムリミットのフィニッシュに間に合わず、取り敢えずパーティー参加に失格覚悟で機帆走するのみか?
と、決断を迫られた頃、南東遠くにポツンと黒い点が視認出来た!
双眼鏡や単眼鏡で暫く確認すると、居ました、M旗掲揚のゴムボートが!オリジナルの回航ブイポイントから1マイル程ズレて泊!
安堵するやら腹が立つやら、ま、ここは抑えておきましょう。
1225時ヘルムス交代、更にその後交代し、M旗掲揚のボートに接近・通過確認の為コースを暫く維持、タックしてボートに最接近する。
2人乗り組みのボートからやまゆり乗船員数確認と写真撮影があり、スキッパーを通し事情を確認したところ、ボートが大分流されたとの返事!
◉ 最終レグ (3号浮標〜フィニッシュ)
1317時移動した回航ポイントを左に見て回り込み航過し、1320ヘルムス交代。
1353時、タイムリミット内にフィニッシュ出来ることを祈りながらヘルムス交代。
風も奮闘するやまゆりに味方してかNEからENEに変わり、右舷アビーム状態で4〜5ノットをキープ。
まさか1500時前にフィニッシュのブイや運営船は撤収していない筈と信じつつも、遠くにオレンジの三角ブイと運営船を確認して一同に安堵する。
1447時フィニッシュ!! クルー皆手を振って快哉を叫ぶ。
一方運営船からも両手を挙げて時間内フィニッシュを労い、祝って戴いた。
1448時ヘルムス代わり機関起動、1450時ジブ、メイン、ミズン取り込み機走にて1510時江の島帰港・着桟。
当日レース参加のクルーの皆さん、ほぼぶっつけ本番ながらの参加でしたが、各人其々秘めたる準備もして戴いたかと窺われます。
<理事長より>
やまゆりの長い歴史の中で、公式ヨットレースに競技艇として参加したのは今回が初めてです。
今年創立60周年を迎えた社団法人江の島ヨットクラブに心から敬意を表するには何ができるのか考えた末、今回の出艇を決めました。やまゆりの運航に関わって頂いている会員のご賛同と努力で完走する事が出来きました。今回ご一緒した16艇はいつもハーバーで やまゆりと肩を並べる仲間です。これを改めての好機としてオール・江の島の旗頭として交流を続けていきたいと思います。
そして、レースを走りきった皆さんの頼もしい笑顔に勇気が湧きました。これからもやまゆりと共に頑張りましょう。
最後に「子供の頃から親しんで来たやまゆりとレース海面で一緒に走れて涙が出た。江の島でヨットを続けてきて本当によかった」と声をかけて頂いたヨットマンの言葉をお伝えします。
やまゆりを支えて頂いている会員の皆様のおかげで貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました。
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