2025年もあと残すところ僅かとなりました。

いま振り返りますと、私たち「やまゆり」にとって今年が実に大きな意味のある一年であっことを改めて会員の皆様、関係者の皆様、そして当会の活動にご協力いただいている皆様にお伝えし、合わせて厚く御礼を申し上げたいと思います。

 まず最初は、私たち「やまゆり」が9月に公益社団法人日本船舶海洋工学会様からふね遺産」に認定をいただいたことです。海洋国の我が国にとって「ふね」は太古の昔から人々と深く関わってきたのは言うまでもありませんが、その学術的な側面から後世に引き継ぐべき「ふね」として私たちの「やまゆり」を選んでいただいたのは、ひとえに63年に亘り途絶えることなく「直す・磨く・走らせる」を守り育んで来ていただいた多くの先達と今に至る皆様のご支援の賜物です。ここに改めまして全ての皆様に厚く御礼いたします。

 次に、3年前に北海道で多数の死者を出した遊覧観光船の痛ましい事故を踏まえて、多くの人命を預かる船の安全管理に社会の要請が高まる中、私たち「やまゆり」の運行について各方面から熱心なご指導やサポートをいただきました。国土交通省関東運輸局海事振興部様海上保安部湘南海上保安署様公益法人日本セーリング連盟様神奈川県藤沢土木事務所なぎさ港湾部様、並びにリビエラ江の島ヨットハーバー管理事務所様の関係者の皆様と、全面的サポートいただいた一般社団法人江の島ヨットクラブ様に改めて御礼いたします。いただいたサポートを元にして、法務、実務、装備、運航等多角的な整理をして来たる2026年も私たち「やまゆり」の活動をより安全で安心に推進してまいります。

 更に、本年も私たち「やまゆり」は建造以来63年を経て日々の始業点検等のチェックが功を奏して安全な運航を目指し適切に修理等を実施して来ました。本年実施した修理等のメンテナンス活動も会員の知識、技能はもとより日本を代表する地元の大手メーカーの技術協力得て着実に進めることができ、私たちの「やまゆり」を走れる状態で年越しさせる事ができました。クリスマスのイルミネーションを身に纏いヨットハーバーに佇む「やまゆり」は心なしか喜んでいるように見えます。改めてメンテナンス活動安全運航に尽力いただいた皆様に御礼申し上げます。
また、11月以降に乗船をご予定いただいていた皆様には修理の間ご迷惑をおかけいたしましたことを心からお詫び申し上げます。

日本夜景100選に選ばれ、内外の観光客が訪れる江ノ島の煌めきの中にある私たちの「やまゆり」は今年一年本当に頑張りました。

どうぞ皆様には良いクリスマスと、良いお正月をお迎えください。
また来たる2026年が皆様と私たちの「やまゆり」にとってより良い年となりますように。

            NPO法人帆船やまゆり保存会 理事長・岡田昌己