藤沢市江ノ島のハーバーに優雅に浮かぶ二本マストの大型帆船「やまゆり」は、1964年東京オリンピックヨット競技のために造られました。

帆船やまゆりについて

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大型帆走クルーザー「やまゆり」

江の島ヨットハーバーにその優雅な姿を置く木造の大型帆走クルーザー「やまゆり」は、1964年10月に開催された「第18回東京オリンピック大会」の、ヨット競技(当時)会場として整備された江の島ヨットハーバーに海外・国内の来賓用クルーザーとして神奈川県が建造し、警備艇としても大活躍をしました。大会終了後の1970年、神奈川県から船を受け継いだ(社)江の島ヨットクラブでは、以後42年にわたり、ヨットクラブのフラグシップ(旗艦)として管理・運航してきました。しかし財政難が深刻となりこれ以上の維持・継続ができなくなってしまいました。国内では43フィートの大型木造クルーザーが運航している例はなく、日本のヨット史における文化財とも云うべき「やまゆり」は存続の危機を迎えます。

そこで、1993年5月から江の島ヨットクラブの外郭団体として「やまゆり倶楽部」が設立され、会員が年会費1万円を拠出して船体の維持・管理・運営にあたることになりました。

会の設立にあたり、中村満夫代表(現名誉理事長)は「海は船に乗ってこそ、そこに生きる生き物の姿に接し、波、風、雲などの変化を感じ取れます。その結果として自然とのふれあい、健康増進、癒しの効果や心身の安定などが体得できます。やまゆりを単なる遺産とせず、自然と一体に海とヨットの素晴らしさを伝えるために、費用はかかっても動態保存が最適であると考えます。」と宣言しました。

年間を通じての活動は、毎月の会員対象の例会クルーズ、一般に呼び掛けての体験セーリング(年間13~15回実施)、地元藤沢市立片瀬小学校3年生の課外授業、鎌倉養護学校体験セーリング、その他にも高齢者や障害者のための「ふれあいセーリング」を実施、今後も継続していきます。また毎年のノルウエーカップヨットレースのVIP船として、また外国人奨学生の体験セーリングなど国際交流活動も行っています。やまゆりは、すべての人にやさしく、安心安全な船の運航を通じて社会に貢献してまいります。

そして、この活動は2013年6月、NPO法人帆船やまゆり保存会に引き継がれ、2016年10月、船の所有権もNPO法人帆船やまゆり保存会に移行され現在に至りました。

NPO法人帆船やまゆり保存会は、さらに多くの会員を募り各種事業活動も展開し財政の確立を図り、また各種の地元関係者の協力も得て、ヨットと海事思想の普及、相模湾にこれからも「湘南の貴婦人」やまゆりが走る姿を後世へ伝えて参りたいと思います。

母なる海を舞台に帆船やまゆりが湘南のシンボルとして末永く活躍できるよう、関係者一同努力します。
私たちとご一緒いただき、ご協力を宜しくお願い致します。

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